総務省の令和元年 情報通信白書によると、AIによる生産性の向上効果について、日本では2035年に労働生産性がベースライン比で34%向上するとされています。ビジネスの現場にAIツールを導入することは、人間を煩雑な作業から解放し業務効率を大きく引き上げるといえるでしょう。
本記事では業務効率化におすすめのAIツールを紹介します。データ分析からクリエイティブ領域まで幅広くカバーできるAIツールを集めました。AIツールの導入において重要な課題となるセキュリティについても触れていきますので、情報システム部の担当者の方、DX推進を検討する方、ROIや業務改善効果を重視する経営者の方はぜひ参考にしてください。
目次
1.AIによる業務効率化が解決する企業の課題
Forrester社のCopilotを導入した中小企業向けの潜在的なROIに関する調査によれば、中小企業がCopilotを導入した場合、3年間で132〜353%のROIが見込まれ、高い投資対効果が期待されています。
AIツールを実際に導入した企業からも「営業職で提案資料作成の時間が70%減り受注率が25%アップした」「人事職で採用面接の要約にAIツールを導入したところ1人あたりの作業時間が80時間減った」といった実例が出ています。
ここでは、AIによる業務効率化が具体的にどのような企業課題を解決するのかについて考えてみましょう。
1-1.人手不足の解消
コスト削減、業績改善、競争力の強化。どれも業界や部署を超えて取り組まなければいけないビジネスの課題です。とくに人手不足の課題は多くの業界で顕著になっています。
AIツールの導入は企業の深刻な人手不足の課題を根本的に解決します。AIツールによりルーティーンワークや単純な作業をAIに置き換えることができ、人的リソースの解放につながるでしょう。
自由に使えるリソースが増えることで、人間はより複雑で付加価値が高い業務に集中できるようになります。AIツールに丸投げするのではなく、補助的ツールとして上手く活用すれば、顧客満足度を下げることなく業務の効率化ができるでしょう。
1-2.DX化の推進
DXとはデジタル技術を用いてビジネスの仕組みの変革を行うこと。AI技術の活用はDXを推進する中心技術として、多くの企業の業務効率化を押し上げる一助となるでしょう。
AIツールの導入は、会議資料の作成や提案書、議事録の作成などに役立ちます。与えられた情報をもとに迅速に資料や文書を作成できますので、人員的コストや費用的コストの削減につながるでしょう。
1-3.ミスの軽減と業務品質の均一化
人間が働いている以上、ヒューマンエラーを避けることはできません。しかし、AIツールを導入すれば、エラーを最小限に抑え業務品質を均一化することができます。
AIはインプットされた定義と学習データに基づき、求められるタスクを一定の精度でこなし続けることができます。人間のように集中力の低下や疲労などによるタスク完成度のばらつきも発生しません。
また、AIは複雑なデータを迅速かつ正確に分析することができます。一定のクオリティでタスクを消化できるAIツールを導入すれば、教育コストの削減にもつながるでしょう。
2.【部門別】業務効率化ができるAIツール5選
最近では多くのAIツールが登場しています。ここでは業務効率化ができるAIツールを部門別に5つ紹介します。
2-1.全部門向け:PLAUD|無料で全業務を最適化
PLAUD シリーズは、PLAUD社が開発した世界初のAI録音デバイスです。ワンタッチで録音が行え、AI音声認識エンジンにより高精度な文字起こしが行えます。文字起こしした内容をAIにより要約することもできますので、会議議事録の作成や提案書の自動作成、営業活動の記録、カスタマーサービスのログ取得、セミナーの記録などさまざまなシーンで活用できるでしょう。
PLAUDのデバイスは2種類。PLAUD NOTEはカード型のデバイスで、オフィスでの会議が多いビジネスパーソンに最適です。PLAUD NotePinはピンマイク型のデバイスで、胸ポケットに取りつけたり、時計のように腕につけたりできるため、移動が多いビジネスパーソンにおすすめします。
PLAUD NOTEはテキストとしての書き起こしだけでなくマインドマップとしての出力にも対応。長時間の会議内容の伝達や資料の論理的理解にも役立ちます。無料プランでも月あたり300分まで文字起こしができますので、部署にかかわらず毎月無料で使用することも可能です。
議事録用や講義用などのテンプレートをベースに、AIが内容を自動要約してくれる機能が搭載されているのもPLAUD NOTEならではの特徴。テンプレートは30種類以上用意されており、シーンに合わせて活用できます。この機能を使うことで、時間と労力を大幅に削減できるだけでなく、情報に一貫性を持たせた状態で録音内容を記録できるでしょう。
また、AIが音声データから関連情報を抽出し要約して提示する「Ask AI」という機能を使えば、情報へのアクセス時間を短縮し、意思決定の迅速化を図ることができます。コンテンツ分析や改善提案なども行えますので、潜在的な課題の抽出やパフォーマンスの向上に役立つでしょう。
主な用途 |
|
強み | 議事録作成の効率化やナレッジ共有など全社的な業務効率化ができる |
価格 |
|
セキュリティ |
|
カスタマイズ性 |
|
2-2.経理:Copilot|Officeと連携して業務を効率化
Copilotは自然言語処理技術を用いた検索エンジン型のチャットボットです。独立したWebサイトで動作するものではなく、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、TeamsといったOfficeツールに統合されています。CopilotをOfficeに統合させるには、月額3,200円(1ユーザー)の有料版にアップグレードが必要です。CopilotはOpenAIのGPTが用いられており、世界最高レベルのAIによる自然言語処理が行えます。
Copilotは「Microsoft Copilot for Finance」と呼ばれる経理部門の自動化を支援するサービスを提供。そんなCopilotはドキュメントの校正や受信トレイの効率化、プレゼンテーションの要約など一般的な業務に加え、経理業務でも活躍するでしょう。
安全性が高い点もCopilotの魅力。CopilotはISMSにおいてISO 27001・27017・27018の認定を取得しています。権限管理もできますので、情報へのアクセスをコントロールすることも可能です。一方、Copilotには正確性に限界があるというデメリットもあります。また、長文処理に弱いという評価もあり、人的な判断と補完が必要です。
主な用途 |
|
強み | Outlook・Teams・Wordと連携して日々の業務を自動化できる |
価格 | 月額3,200円(1ユーザー) |
セキュリティ | ISO 27001・27017・27018 |
カスタマイズ性 | Outlook・Teams連携 |
2-3.営業:ChatGPT Enterprise|ニーズを売上に直結
自然言語処理に基づき、人間のような会話や文章作成を行うOpenAIによる生成AIツール、ChatGPT。ChatGPT EnterpriseはChatGPTの企業向けプランです。一般的なChatGPTが個人ユーザーの利用を想定しているのに対し、ChatGPT Enterpriseはセキュリティや管理機能が強化され、より高速なパフォーマンスを発揮する仕様となっています。
GPT-4oを無制限に利用できるため精度の高い長文を生成できますので、顧客への提案文の作成や問い合わせ対応、海外顧客への多言語書類の作成、セールストークの原稿作成など、営業業務に必要なタスクを効率化できます。
安全面においてもChatGPT Enterpriseは信頼が高いツールです。ChatGPT Enterpriseは国際的なセキュリティ規格にも準拠しているため、重要な顧客データを扱う営業業務の効率化に最適。Enterpriseプランでは提供データをAIに学習されない設定をすることもできます。ただし、専門的なプロセスや社内システムへの理解には不十分なところも。指示通りの回答が得られない場合もありますので注意してください。
主な用途 |
|
強み | 「営業支援GPT」「フォローアップ文専門GPT」など業務特化型AIを作成できる |
価格 |
|
セキュリティ | SOC 2 Type II 認証 |
カスタマイズ性 |
|
2-4.人事採用 : Gemini|高いマルチモーダル性を発揮
Googleが開発するGeminiは、検索エンジンと連携した高精度な回答生成が特徴のAIツール。一般的なAIツールとは異なり、単一モデルでテキストだけでなく画像や音声など複数のデータを同時に処理することができるため、情報の可視化にも長けています。高度なテキスト処理ができますので、複数の採用要件文書にも最適です。
さらにGeminiを採用プロセスで活用すれば、履歴書や職務経歴書の自動スクリーニングや求人票の自動作成などさまざまなタスクを効率化できます。面接スケジュールを最適化したり、面接の要点を整理してレポートを作成したりすることも可能です。データ抽出も得意ですので、キーワードや経験に応じて求人要件とのマッチング率を評価できます。
デメリットはカスタマイズ性の低さです。基本的に求められた回答や情報を提供する機能に止まっていますので、Office製品との統合や自動化をするにはサードパーティ製システムと連携する必要があります。
主な用途 |
|
強み | Google ドキュメント、スプレッドシート、Gmail、MeetなどのGoogle Workspaceとシームレスに連携できる |
価格 | Gemini Advanced : 2,900円(月額) |
セキュリティ |
|
カスタマイズ性 | 検索履歴と連携し個人の業務効率が行える |
2-5.コールセンターの効率化 : LINE WORKS AiCall|電話対応のDX化を推進
LINE WORKS AiCallは、電話対応のコスト削減を実現できるAIサービスです。音声AIによる自動応答システムなので、オペレーターを配置することなく24時間365日、問い合わせに対応することができます。
従来のコールセンターでは、繁忙期になるとオペレーターの増員が必要でしたが、LINE WORKS AiCallを利用すれば人件費をかけることなく対応のスケールを広げることが可能です。よくある質問に自動応対したり、メールの下書きを作成したり、課題解決のためのガイドを提供したり、コールセンター業務の負担を大幅に軽減することができます。
また、LINE WORKSと連携できるという特徴もあります。社内で問い合わせ内容を共有するだけでなく、顧客に受付内容をLINEメッセージで送信することも可能です。ただし、パーソナルな会話には少し弱い点には注意が必要です。トラブルやリピーターへの対応には適切な人間の関与が求められます。
主な用途 |
|
強み | LINE WORKSとのシームレスな連携ができる |
価格 | 要問い合わせ |
セキュリティ | LINEの自社技術を使用 |
カスタマイズ性 | 柔軟なシナリオ設計が可能 |
3.PLAUD NOTEが選ばれる2つの理由|幅広い業界でROIを実証
世界230ヶ国以上、100万人以上のユーザーに支持されるPLAUD NOTE。日本でもPLAUD NOTEの導入により税理士事務所が申告書作成工数60%減を達成したり、広告代理店が提案資料自動作成で受注率向上したり、さまざまな企業でROIが実証されています。
ここでは、PLAUD NOTEが選ばれる2つの理由を解説します。
3-1.議事録や講義の内容をAIが自動要約
PLAUD シリーズを使えば、文字起こしした内容をAIが自動で要約してくれます。PLAUD NOTEには議事録や講義、コンサルティングなど、1000種類以上のテンプレートが用意されておりテンプレートに沿って録音内容を要約できるため、情報の一貫性を保ちつつ効率的に情報をまとめることができるでしょう。
「Ask AI」という情報を分析・抽出しレポートやメールとしてまとめる機能もありますので、ニーズに応じて効率化を促進できます。PLAUD NOTEでは、ただ音声データを文字起こし・要約するだけでなく、高品質なデータというビジネス資産として昇華できますので、意思決定のプロセスを最適化し、業務効率化につなげることができるでしょう。
3-2.年間260時間もの時間をカット
PLAUD NOTEを使用すれば、年間260時間もの会議関連の処理にかかる時間をカットできます。PLAUD NOTEは、録音と同時に高精度なAI文字起こしを実行。会議や商談、取材、講義など、日常業務で頻繁に行われる録音作業と文字起こしの負担を大幅に軽減できます。記録作業の時間をカットすることで生産性が向上し、より重要で複雑な業務にリソースをかけることができるようになるでしょう。
4.AIツール導入の失敗を防ぐ3つのポイント
英国のAI研究者のマイケル・オズボーンによると、労働人口の47%が機械に代替されるリスクが70%以上であるとされています。今後、単純な作業はAIに代替され、人間はより創造的なタスクに集中するフェーズへと移っていくでしょう。
とはいえAIツールは100%完璧ではありません。現段階では人間による正誤チェックが必須です。ここでは、AIツール導入で失敗しないためのポイントを解説します。
4-1. 期待値マトリクス作成する
ビジネス用語におけるマトリクスとは、複数の要素を分析するためのチャートのことです。AIツールを導入する際は、「AIができること」や「現場が最低限求めるライン」などの認識をマトリクスとして作成することをおすすめします。
現実的な問題として、すべてのプロセスをAIに置き換えることは難しいでしょう。マトリクスによりAIツールへの期待値を可視化することで、AIに任せる部分と人間によるチェックが必要な部分が明確になります。
また、期待値マトリクスを作成する際は、それぞれの部門で「入力ミスを95%削減する」「顧客対応時間を65%カットする」など具体的な目標を入力するとよいでしょう。AIツールに期待するソリューションを具体的にすることで、ニーズに合った効率化を実現できます。
4-2. フェーズ設計で段階的に導入する
AIツールと業務内容や業務体制との適合性を検証する場合は、フェーズ設計を立てながら段階的に導入することをおすすめします。まずは営業部で試し、それから経理部や人事部というように成果と課題を明らかにしながら少しずつ導入することで、大きな失敗を防ぐことができます。
フェーズ設計は大まかに、「業務への整合性の確認→課題の抽出→調整→最適化」というサイクルを回していきましょう。一度にすべての部署に展開するのではなく段階的に導入・拡張することで、業務上のリスクを最小限に抑えることができます。
AIツールは導入して終わりではありません。継続的なメンテナンスや改善を繰り返し検証を重ねることで、AIツールを最大限に活用できるようにしましょう。
4-3. セキュリティに関する取り組みを確認する
AIツールを導入するとき、セキュリティ対策について確認することは非常に重要です。業務上、入力データに個人情報や機密情報が含まれる可能性は避けられないため、適切な対策が行われているAIツールを選んでください。中にはGDPR(EU一般データ保護規則)やISO/IEC 27001(ISMSに関する国際規格)に適合しているAIツールもあります。データの機密範囲を明確にすると共に、セキュリティ仕様を確認しておきましょう。
まとめ:AIツールを活用して業務効率化し事業を加速させよう
今回は業務効率化を図ることができるAIツールをランキング形式で紹介しました。AIの利用はソフトウェア業界やメディア業界、旅行業界、医療業界など、さまざまな分野で売上率の上昇というポテンシャルを秘めています。
AIツールを使って業務効率化を図りたい方は、ぜひPLAUD NOTEをお使いください。軽量でウェアラブルなPLAUD NOTEは、ユーザーの記憶力のサポートや脳の拡張に便利な、ビジネスシーンに欠かせないツールだといえるでしょう。