テレワークの機会が増えた昨今、議事録の重要性が高まっています。しかし「議事録作成は面倒」「何を書けばいいかわからない」と感じている方が多く見受けられます。
しかし、AI議事録ツールを活用すれば、録音から文字起こし、要約までが自動化可能。作業時間が大幅に短縮できます。
本記事では、基本的な議事録の書き方から最新のAIツール活用法まで、効率的かつ実用的な議事録の作成方法を解説します。議事録作成に悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
議事録作成の必要性
議事録は、組織全体の情報共有において欠かせないツールです。会議に参加していないメンバーも、議事録を通じて議論の内容や決定事項などが正確に把握できます。とくにテレワークが普及した現在では、組織のメンバー全員が会議に参加することが難しくなっているため、議事録の重要性はさらに高まっています。
また、責任の明確化にも重要な役割を果たしているのが特徴です。「誰が」「いつまでに」「何を」行うのかを明文化することで、後々のトラブルや認識の齟齬が防げます。
加えて、法的な証拠としての価値を持つのも議事録の特徴です。契約交渉や重要な意思決定の場面では、後日争いが生じた際の証拠資料として活用される可能性があります。そのため、取締役会や株主総会といった重要な会議では、議事録の作成が法的に義務付けられているケースもあります。
議事録の書き方
議事録は、ただ書き残せばよいというものではありません。事前に準備し、どのように作成していくのかをはっきりさせておくことが重要です。
この章では、議事録の書き方について、詳しく解説します。
会議の内容や目的を把握しておく
議事録作成の第一歩は、会議の全体像を事前に把握することです。アジェンダや配布資料に目を通し、どのような議論が行われるのか、何を決めるのかを理解しておきましょう。
例えば、新商品の企画会議であれば、商品コンセプト・ターゲット層・価格・販売戦略などが主な議論のポイントになることが予想されます。このような背景知識があれば、記録すべき内容の見極めが可能です。
また、参加者の役職や専門分野も事前に把握しておきましょう。例えば、営業部長の発言は市場動向に関した情報を含む可能性が高く、技術者の発言は実現可能性に関する見解を含んでいる可能性があります。
簡単な構成を事前に作成する
効率的な議事録作成のために、事前にテンプレートとなる構成を準備しておきましょう。基本的な構成要素として、以下の項目を含めるのがおすすめです。
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会議の基本情報(日時、場所、参加者)
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議題一覧
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各議題の議論内容
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決定事項
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保留・継続検討事項
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アクションアイテム(担当者、期限)
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次回会議の予定
構成を事前に用意しておけば、テンプレートに沿って情報を整理するだけで済みます。後の編集作業を大幅に効率化できるのが魅力です。
会議中にメモを取る
会議中のメモ取りは、正確で漏れのない議事録作成の基盤となります。とくに重要なのは、発言者の名前と発言内容を正確に記録することです。後で「誰が何を言ったのか」が分からなくなると、責任の所在が曖昧になってしまいます。加えて、数字や固有名詞を注意深く記録することも大切です。
なお、メモ取りの効果的な手段のひとつに、ボイスレコーダーがあります。ボイスレコーダーを使用すれば、発言内容を漏らすことなく記録可能です。とくに、複数人が同時に発言する場面や専門用語が多く使われる議論では、後からボイスレコーダーの内容を確認することで、より正確な議事録が作成できます。
ただし、ボイスレコーダーを使用する際は、プライバシーや機密情報の観点から、事前に参加者全員の同意を取りましょう。
メモをもとに要点を抽出
メモから議事録に含める要点を抽出する作業は、読みやすく実用的な議事録作成の鍵です。メモ全体を通して読み、会議の流れと議論ポイントを把握しましょう。
次に、発言内容を以下の4つのカテゴリーに分類します。
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重要な決定事項:会議で最終的に決まった内容や方針。
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議論の核心部分:決定に至るまでの重要な議論や、提起された課題。
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アクションアイテム:具体的な行動が必要な項目。
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参考情報:会議の理解に役立つ背景情報や補足説明。
分類作業では、会議の目的と参加者のニーズを考慮することが重要です。例えば、技術的な詳細よりもビジネス上の判断根拠を重視すべき場合もあれば、その逆の場合もあります。
また、発言者の立場や専門性も考慮して重要度を判断しましょう。部長クラスの意見や、その分野の専門家の見解は、一般的により重要度が高いと考えられます。
要点を構成に当てはめ、議事録を作成
会議が終わったら、できるだけ早く議事録の作成に取りかかりましょう。記憶が鮮明なうちに情報を整理すれば、正確かつ詳細な議事録が作成できます。
事前に準備した構成に沿って、メモやボイスレコーダーの内容を整理しましょう。このとき、単に発言を時系列順に並べるのではなく、議題ごとに内容をまとめることが重要です。同じ議題について複数回議論された場合は、ひとつの項目として統合しましょう。
また、議論の過程だけでなく、最終的な結論や決定事項を明確に記載することも重要です。「検討中」「継続審議」といった曖昧な表現ではなく、「次回会議までに営業部が競合分析を実施し、結果を報告する」といった具体的な内容で記録しましょう。
議事録作成で意識すべきポイント
議事録の作成では、意識するべきポイントがいくつかあります。
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会議レベルと議事録の用途の把握
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議事録に含める要点の整理
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簡潔かつ過不足のない内容にまとめる
ひとつずつ解説します。
会議のレベルと議事録の用途を把握する
議事録の内容は、会議のレベルや用途によって調整する必要があります。例えば、取締役会のような重要な意思決定機関の議事録では、法的要件を満たす詳細な記録が必要です。一方、日常的な会議の議事録では、実用性を重視した簡潔な内容で十分な場合もあります。
また、社内向けの議事録であれば多少インフォーマルでも問題ありません。しかし、社外関係者も閲覧する議事録では、丁寧かつ正式な文体が求められます。
加えて、議事録の配布範囲も考慮して内容を調整しましょう。機密性の高い情報が含まれる場合は、配布先を限定するか、機密情報を別途管理する必要があります。
議事録に含める要点を整理する
議事録には、以下の要素を含めましょう。
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議題:会議で討議された主要なテーマや課題を明確に記載。「新商品Aの価格設定と販売戦略について」など、具体的な内容を盛り込む。
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決定事項:会議で最終的に決定された内容を明記。決定に至った理由や背景も簡潔に記載。例えば「新商品Aの販売価格を2,980円に決定。競合他社の価格帯(3,000〜3,500円)を下回る価格設定により、市場シェア獲得を優先する戦略」など。
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ToDo:会議で決定されたアクションアイテムを、担当者と期限を明記して記録。「田中部長が2025年7月15日までに競合分析レポートを作成し、次回会議で報告」など。
上記の要素を整理する際、会議の参加者が後で見返したときに自分のやるべきことが一目で分かるような構成にすることが重要です。
簡潔かつ過不足のない内容にまとめる
議事録を作成する際、冗長な表現を避けつつ、後で読み返したときに内容を正確に理解できる内容にまとめることが重要です。
具体的には、発言者の感情表現や雑談は省略し、議論の核心となる部分に焦点を当てます。ただし、重要な懸念事項や反対意見は、たとえ最終的に採用されなかったとしても記録しておきましょう。
また、専門用語や略語を使用する場合は、議事録を読む可能性のあるすべての人が理解できるよう、必要に応じて説明を加えておくことも重要です。
議事録作成はAIツールで効率化しよう
近年、AI技術の発達により、議事録作成が効率化できるツールが登場しています。AIツールを活用すれば従来手で行っていた作業の多くが自動化できるため、ほかの業務に時間を割くことが可能です。
この章では、議事録作成でAIツールを使用するメリットをいくつかご紹介します。
会議の文字起こしと要約が自動化できる
AIツールのなかには、音声認識技術を活用した自動文字起こし機能が搭載されているモデルがあります。従来の議事録作成では作業時間を要していましたが、AIツールを使用すれば作業時間を大幅に短縮できます。
加えて、話者の識別機能が備わっているのもポイント。「Aさんの発言」「Bさんの発言」という風に、発言者ごとに内容が整理できます。
また、単純な文字起こしだけでなく、会議の内容を自動で要約する機能が搭載された製品も。長時間の会議でも簡潔にまとまるため、議事録の骨子がスムーズに把握できます。
会議へ積極的に参加できる
AI議事録ツールを使用すればメモを取る作業が必要なくなるため、会議へ積極的に参加できます。従来の方法では、重要な発言を聞き逃さないようメモを取らなければならず、議論への積極的な参加が難しいこともありました。
しかし、AIツールに記録を任せれば、適切なタイミングで質問や意見が述べられます。議論がより建設的で活性化する可能性があるのが魅力です。
人力よりも素早く、ミスが少ない
手作業での議事録作成では、聞き間違いや記載漏れなどが発生する可能性があります。とくに、複数人が同時に発言したり専門用語が多く使われたりする場面では、正確な記録が困難になる場合があるため注意が必要です。
AIツールは、一度に複数の音声を処理する能力に長けているため、聞き取りにくい発言や、重複する発言も正確に文字起こしできます。また、固有名詞や数値についても認識可能です。
さらに、AIツールを使えば、長時間の会議でも質を保ちながら記録が続けられます。手作業だと、会議が長引くにつれて集中力が低下し、記録の精度が落ちる傾向がありますが、AIツールにはそのような問題がありません。
議事録作成AIツールはPLAUD NOTEがおすすめ
議事録の作成には、AIボイスレコーダーのひとつであるPLAUD NOTEの使用がおすすめです。この章では、PLAUD NOTEの魅力やメリットをいくつかご紹介します。
録音・文字起こし・要約がすべて任せられる
PLAUD NOTEの特徴は、議事録作成に必要な機能がひとつのデバイスに統合されていることです。従来のボイスレコーダーのような録音機能に加えて、AI技術を活用した高精度な文字起こしと要約機能が備わっています。
録音品質は業務用レベルで、大きな会議室でも参加者全員の発言がクリアに録音可能。文字起こし機能では、方言や個人の話し方のクセ、専門用語にも対応しています。
加えて、要約機能が搭載されているのもポイント。録音した音声データをAIが自動的に分析し、重要なポイントを抽出して整理します。膨大なデータをまとめるのにおすすめです。
また、「会議用」や「講義用」など、用途に合わせて要約を生成できるテンプレート機能が備わっているのも特徴。オリジナルのカスタムテンプレートを作成することもできます。
記録内容は多様な形式で共有可能
PLAUD NOTEで作成した議事録は、さまざまな形式で共有が可能です。Word文書やPDF、テキストファイルなど、用途に応じて適した形式が選択できます。
また、クラウド機能を活用すれば、録音データや議事録をそのまま会議の参加者や関係者とスムーズに共有できます。加えて、アクセス権限の設定も可能なため、機密性の高い会議内容も安心して管理できます。
さらに、スマホアプリとの連携により、外出先からでも議事録の確認や編集を行えるのもポイント。急な修正が必要になった場合でも、リアルタイムで対応できます。
Ask AI機能でさらに業務を効率化
PLAUD NOTEには、「Ask AI」という機能が搭載されています。これは、作成された議事録についてAIに質問できる機能であり、会議内容の分析や情報の抽出に役立つ機能です。
例えば、「今回の会議で決定した予算は?」「次回までのアクションアイテムは何?」といった質問をすると、AIが議事録の内容を分析して回答を行います。
加えて、録音内容の改善点を聞いたり、録音内容にない一般的な回答を聞いたりできるのもポイント。パーソナルなAIアシスタントとしての活用もできます。
PLAUD NOTEで議事録作成する方法
PLAUD NOTEの使い方はとてもシンプルです。下記の手順で議事録が作成できます。
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会議が始まる前に、PLAUD NOTEの録音ボタンを押して録音を開始
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会議が終了したら、再度録音ボタンを押して録音を停止する
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アプリ内で録音データを選択し、文字起こしを開始する
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文字起こしが完了したら、「要約ボタン」をタップして議事録を作成する
なお、生成された議事録は、アプリ上で内容が確認可能。必要に応じて編集も行えます。
PLAUD NOTE以外のおすすめ議事録作成ツール・アプリ5選
PLAUD NOTE以外にも、優秀な議事録作成ツールが複数存在します。最後に、PLAUD NOTE以外のおすすめ議事録作成ツール・アプリを5つご紹介します。
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Notta
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AI議事録
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スマート書記
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AI議事録取れる君
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Rimo Voice
それぞれに特徴があるため、用途や予算に応じて選択しましょう。
Notta
Nottaは、日本語や英語、中国語など、多くの言語に対応している多言語議事録作成ツールです。国際的な会議などで活躍します。
リアルタイム文字起こし機能が備わっており、自動で発言内容がテキスト化されるのも特徴。また、クラウドベースのサービスのため、複数のデバイスから同時にアクセスできます。
なお、月額制が採用されており、無料プランでも月120分までは利用が可能。コスパがよく、小規模な会議に適しています。
AI議事録
AI議事録は、日本の企業が開発したAIツールです。日本語特有の敬語や業界用語を正確に認識する能力が高く、フォーマルな会議での利用に適しています。
また、既存の会議システム(ZoomやMicrosoft Teamsなど)との連携機能が搭載されており、オンライン会議の録音から議事録作成まで一貫して処理可能です。加えて、セキュリティ性も高く、機密性の高い情報を扱う企業でも安心して利用できます。
スマート書記
スマート書記は、AI機能が搭載されている議事録作成サポートアプリです。音声認識技術を活用し、精度の高い文字起こしを行います。
スマート書記の特徴は、議事録に画像が貼り付けられることです。文字だけでなく図解を入れられるため、視覚的に情報が把握しやすくなります。加えて、複数人で同時に編集できる機能が備わっているのもポイント。作成時間を短縮しつつ、効率よく議事録がまとめられます。
基本的に法人向けのアプリなので料金は高めですが、法律事務所や医療機関など、高い精度が要求される業界での利用におすすめです。
AI議事録取れる君
AI議事録取れる君は、操作性を重視して設計されたシンプルなツールです。複雑な設定を必要とせず、録音ボタンを押すだけで簡単に使い始められます。
また、価格が安く設定されており、導入コストを抑えたい企業におすすめです。搭載機能は最低限ですが、日常的な会議の議事録作成には十分な性能が備わっています。
Rimo Voice
Rimo Voiceは、日本語に特化したAI音声文字起こしサービスです。会議やインタビューなどの音声がテキストに変換できます。
Rimo Voiceの特徴は、音声データと文字が同期されることです。特定のテキストを選択することで、選択した箇所の音声が再生できます。また、さまざまなファイル形式に対応しており、音声データだけでなく動画をアップロードできるのも魅力です。
加えて、高いセキュリティ性と安全性が備わっているのもポイント。企業や自治体など、大切なデータを扱うのにおすすめです。
まとめ|効率的な議事録作成で会議の価値を最大化しよう
議事録の作成では、事前の準備から作成、共有にいたるまで、一連のプロセスを体系化することが重要です。質の高い議事録の作成は、会議の価値を最大限に引き出します。
とくに近年では、PLAUD NOTEをはじめとするAI議事録ツールの登場により、議事録作成の負担が大幅に軽減できるようになりました。AIツールを活用すれば会議へ積極的に参加でき、議事録の正確性も向上させられます。
ただし、AIツールはあくまで作業効率化の手段です。議事録作成の目的は「誰が」「何を」「いつまでに」行うかを明確にすることにあります。ツールに頼るだけでなく、読み手にとって実用的な議事録の作成を意識しましょう。